以前はStripeをウェブサイトに組み込む際、決済ボタンのコードを埋め込んだり、支払い完了ページを自作したりと、多くの開発作業が必要でした。しかし、現在では、Stripe Payments Linksの登場により、これらのプロセスが大幅に簡素化されました。ボタンを作成し、生成されたリンクをサイトに貼り付けるだけで、単発決済からサブスクリプション、ユーザーが自由に金額を入力する決済まで、すべてが完結します。
このように、ほとんどの決済機能がノーコードで実現できるようになりましたが、特定の機能やより高度なカスタマイズを求める場合、やはりコードを書く必要があります。以下に、Stripe Payments Linksだけでは対応しきれない、ローコード/ノーコードでは対応しきれない機能をまとめます。
より高度な連携機能
1. 複雑なビジネスロジック
Stripe Payments Linksは、シンプルな決済フローに特化しています。しかし、以下のような複雑なビジネスロジックを実装する場合、コードが必要です。
- ユーザー認証やデータベース連携: 支払い完了後に、データベースに顧客情報を保存したり、特定のユーザーグループにアクセス権を付与したりする場合。
- 在庫管理: 物理的な商品を販売する際、支払いが完了したら自動的に在庫数を減らすシステムと連携させる場合。
- クーポンや割引の動的な適用: ユーザーの行動や購入履歴に基づいて、動的に割引を適用する場合。
2. 複数回の支払い
一度の支払いではなく、複数回にわたる支払い(例えば、分割払い)を実装する場合、Stripe Payments Linksでは対応ができません。支払いスケジュールの設定や管理には、Stripe APIを利用してプログラムで制御する必要があります。
より柔軟なデザインとユーザーエクスペリエンス
1. サイトのブランドに合わせたデザイン
Stripe Payments Linksの決済ページは、ある程度のカスタマイズは可能ですが、完全にサイトのブランドイメージに合わせることは難しいです。以下のような、より自由なデザインを求める場合はコードを書いてください。
- 購入フローの全画面カスタマイズ: 決済フロー全体を、自社のウェブサイトのデザインにシームレスに統合したい場合。
- 支払いボタンのカスタムデザイン: ボタンの色や形、アニメーションなどを独自にデザインしたい場合。
- 動的な表示: ユーザーがカートに入れた商品や、過去の購入履歴に基づいて、決済ページの内容を動的に変更したい場合。
2. UI/UXの最適化
ユーザーが決済を完了するまでの過程を、よりスムーズにしたい場合、コードを書いてください。
- カートページから支払いページへの遷移: ユーザーがカートの内容を確認し、支払い情報を入力するページを自由に構築したい場合。
- フォームの入力補助: クレジットカード情報の入力時に、リアルタイムでカードの種類を判別したり、エラーメッセージを分かりやすく表示したりする場合。
- ワンクリック決済: ログインユーザー向けに、以前入力した情報を保存して、ワンクリックで決済を完了できるようにしたい場合。
ローコード/ノーコードとコードの使い分け
機能 | Stripe Payments Links (ノーコード) | Stripe API (コード) |
単発決済 | 〇 | 〇 |
サブスクリプション | 〇 | 〇 |
ユーザーによる金額入力 | 〇 | 〇 |
複雑なビジネスロジック | ✕ | 〇 |
分割払いなどの複数回決済 | ✕ | 〇 |
ブランドに合わせたデザイン | ✕ | 〇 |
UI/UXの最適化 | ✕ | 〇 |
Stripe Payments Linksは、シンプルで迅速な決済導入には最適なツールです。しかし、ビジネスの成長に伴い、より複雑な機能や独自のユーザー体験を追求する場合、Stripe APIを利用した開発が必要になります。どちらか一方に固執するのではなく、プロジェクトの要件に合わせて、ノーコードとコードをうまく使い分けることが重要です。
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