長年使い慣れたMicrosoft Officeの「買い切り版(永続ライセンス版)」をご利用の皆さん、そのOffice、サポート期間が終了に近づいているかもしれません。 マイクロソフトはOffice製品に対し、およそ5年〜7年程度のメインストリームサポート期間を設けており、これが終了するとセキュリティ更新プログラムの提供も限定的になり、最終的には一切のサポートが受けられなくなります。
サブスク版「Microsoft 365」を徹底解説
「まだ使えるから大丈夫」と思っていると、重要なセキュリティリスクに晒される可能性も。そのため、多くのユーザーがサポートが継続されるサブスクリプション版「Microsoft 365」への移行を検討しています。
しかし、「サブスクリプションってどんな種類があるの?」「自分にはどれが合っているの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、特に検討されることの多い**「Microsoft 365 Family」と「Microsoft 365 Apps for business」**の2つのプランに焦点を当て、その特徴とどんな方におすすめなのかを詳しく解説します。
なぜ今サブスクへの移行が推奨されるのか?
買い切り版Officeのサポート終了が意味する最大の課題は、セキュリティリスクの増大です。サポートが終了すると、新たに発見された脆弱性(セキュリティ上の弱点)に対する修正プログラムが提供されなくなり、悪意のあるソフトウェアからの攻撃に対して無防備な状態になってしまいます。
一方、サブスクリプション版の「Microsoft 365」は、契約期間中常に最新バージョンのOfficeアプリを利用でき、セキュリティ更新も自動的に適用されます。これにより、常に安全で快適な環境で作業を行うことが可能です。
さらに、クラウドストレージの追加容量やオンライン会議ツール、AIを活用した新機能など、買い切り版にはない豊富な特典が利用できるのも大きな魅力です。
1.「365 Family」家族でお得に共有!
こんな方におすすめ:
- 家族や友人など、複数人でOfficeアプリを使いたい方
- 各自がWord, Excel, PowerPointなどの主要アプリを最新の状態で使いたい方
- 大容量のクラウドストレージ(OneDrive)が必要な方
- コストを抑えつつ、Microsoft 365のメリットを享受したい方

「Microsoft 365 Family」は、最大6人までがそれぞれ独立したアカウントでOfficeアプリを利用できる、非常に経済的なプランです。例えば、ご夫婦とお子様がいるご家庭であれば、全員がそれぞれのデバイスでWordやExcelを使うことができます。
主な特徴:
- 最大6人まで利用可能: 家族や友人とアカウントを共有することで、一人あたりのコストを大幅に抑えられます。
- 最新のOfficeデスクトップアプリ: Word, Excel, PowerPoint, Outlook, Publisher (Windows版のみ), Access (Windows版のみ) が利用可能。常に最新バージョンに自動的にアップデートされます。
- 1人あたり1TBのOneDriveクラウドストレージ: 各ユーザーに1TB(合計6TB)の大容量ストレージが提供され、写真や動画、ドキュメントを安全に保存・共有できます。
- Skypeの月60分無料通話: 指定の国や地域へのSkype通話が毎月60分間無料で利用できます。
- デバイス制限なし: 1ユーザーあたり、同時に5台のデバイス(PC、Mac、タブレット、スマートフォン)にサインインして利用できます。
「Microsoft 365 Family」は、買い切り版Officeを複数台のPCにインストールしていたご家庭や、それぞれのデバイスで最新のOfficeを使いたいと考えている方にとって、最もコストパフォーマンスの高い選択肢となるでしょう。
2.「365 Apps for business」社員毎ライセンス
こんな方におすすめ:
- 小規模ビジネスや個人事業主で、Word, Excel, PowerPointなどのOfficeデスクトップアプリを主要に利用したい方
- 社員ごとにOfficeライセンスを適切に管理したい方
- ビジネス用途でOfficeを利用する際のセキュリティや信頼性を重視する方
- まずはOfficeアプリのみを導入し、将来的にグループウェア機能の拡張を検討している方

「Microsoft 365 Apps for business」は、法人向けのサブスクリプションプランの一つで、ビジネスの生産性を高めるためのOfficeデスクトップアプリに特化しています。個人向けの「Family」と異なり、1アカウントごとに購入する形になります。
主な特徴:
- 最新のOfficeデスクトップアプリ: Word, Excel, PowerPoint, Outlook, Publisher (Windows版のみ), Access (Windows版のみ) が利用可能。ビジネスシーンで求められる高度な機能やセキュリティ対策が施されています。
- 1TBのOneDrive for Businessクラウドストレージ: 各ユーザーに1TBのストレージが提供され、ビジネスドキュメントの安全な保存と共有が可能です。
- ビジネスユースに特化した管理機能: 企業での利用を前提としたライセンス管理やセキュリティ設定が可能です。
- 将来的な拡張性: 必要に応じて、メール(Exchange Online)やオンライン会議(Microsoft Teams)、共同作業(SharePoint Online)などのグループウェア機能が統合された上位プラン(例: Microsoft 365 Business Standard)への移行もスムーズに行えます。
「Microsoft 365 Apps for business」は、ビジネスの現場でOfficeアプリをフル活用したい企業や個人事業主の方にとって、信頼性と拡張性に優れた選択肢です。企業で利用する場合は、セキュリティやライセンス管理の観点から、個人向けの「Family」ではなく法人向けプランの選択が強く推奨されます。
あなたに最適なMicrosoft 365はどちら?
項目 | Microsoft 365 Family | Microsoft 365 Apps for business |
---|---|---|
主な利用者 | 個人、家庭、友人グループ | 小規模ビジネス、個人事業主 |
利用人数 | 最大6人 | 1ユーザーごと |
主要Officeアプリ | Word, Excel, PowerPoint, Outlook, Publisher, Access | Word, Excel, PowerPoint, Outlook, Publisher, Access |
クラウドストレージ | 各ユーザー1TB (OneDrive) | 各ユーザー1TB (OneDrive for Business) |
Skype無料通話 | あり | なし |
法人向け機能 | なし | あり(管理機能、セキュリティなど) |
価格体系 | 年間/月額(家族単位) | 年間/月額(ユーザー単位) |
まとめ:サポート終了前に最適なプランを!
Microsoft Officeのサポート終了は、あなたのデジタル環境を見直す良い機会です。買い切り版のOfficeを使い続けることのリスクを理解し、安全で最新の環境へ移行することは、これからのデジタル社会において不可欠です。
「Microsoft 365 Family」と「Microsoft 365 Apps for business」は、それぞれ異なるニーズに応える強力なソリューションです。ご自身の利用状況、利用人数、必要な機能、そして予算を考慮し、最適なMicrosoft 365プランを選びましょう。
この機会に、常に最新の機能と万全のセキュリティで、快適なOfficeライフを手に入れてください。